器のお手入れ -お取扱いについて-


 器は大きく分けて、陶器と磁器に分かれますが、藤山窯で作っている器は主に陶器になります。磁器の器に比べると強度は弱く、吸水性もあり、取扱いがデリケートですが、温かみがあり色々な表情を見せてくれます。 

 多くの陶器には、表面に「貫入」と呼ばれる、ヒビ状の模様があります(下写真参照)。大小様々で、製品によっては見た目では判らないものもあります。これは、焼成から冷却までの過程で、素地と釉薬の熱膨張率の差(収縮率の差)によって生じる現象です。また、「ピンホール」と呼ばれる小さな穴も見られます。貫入とピンホールがあるために、陶器は水分を吸収します。そのため、特にコーヒーや紅茶、醤油、油ものなどに使用すると、多くの場合、色素が貫入に入り込んで目立ちます。しかし、これは陶器の特性であり、ご理解頂いたうえで、このような変化もお楽しみ頂ければと思います。気になるお客様は、ご面倒ですが使用の都度、器を水に浸した後に使用して頂くと、劇的な変容を防ぐことができます。特に新しいうちは、製品の吸水性も高いために、浸漬後の使用をお勧め致します。


<陶器における貫入とピンホール>

<貫入に浸み込んだ例>

ココアの場合

ミルクの場合


※貫入、その他陶磁器に関する疑問について、陶磁器試験場・セラテクノ土岐が詳細を説明されております。

゛陶磁器の欠陥(原因と対策)”をご覧ください。 → こちらです。


<取扱説明書>

 

ご使用の都度、湯もしくは水に浸し、あらかじめ器に水分を含ませてからご使用頂きますと茶渋、シミ等がつきにくくなります。

 

★陶器は水分に浸すと茶色の斑点が現れたり、乾ききらない内は素地の濃い色が目立つこともありますが、これらは陶器の持つ特性でありご心配はいりません。

 

★陶器は吸水性があるため、ご使用後の器を水に浸したままにしておくと、カビ・シミや臭気を発生する原因になります。ご使用後は、台所用洗剤等でなるべく早く汚れを洗い落とし、よくすすぎ よく乾燥させると末長くご使用いただけます。

 

★食品の温め程度であれば電子レンジのご使用は問題ありません。直火やオーブンでのご使用は、器が破裂する可能性があり、危険ですのでお止めください。

 

★材質の特性で表面がざらついていたり、土に含まれる石分が膨張して小さな突起が出ている場合がございます。気になる場合には、耐水ペーパー等で研磨してご使用ください。

 

藤山窯